2013年7月27日土曜日

私の友人で元NHKのモスクワ支局長小林和男さんから、こんなお話がありました
以下彼のメールです。ロシアのプーシュキン美術館の館長が52年間館長であった。


皆さま
サンクトペテルブルクのエルミタージュと並んでロシアを代表する美術館に
モスクワのプーシキン美術館があります。エルミタージュ美術館が宮殿の一部
を使って展示が始められたのに対して、プーシキンは美術館専用として建設さ
れたロシアで初めての美術館です。
今月この美術館で大変な変化がありました。1961年に当時のフルシチョフ首相
によって任命された女性イリーナ・アントーノヴァ館長が辞任したのです。
ルシチョフからブレジネフ、ゴルバチョフからプーチン
と指導者が変わり、国
の体制が変わっても52年間館長であり続けた不思議な女性です。
その背後には美術品に対する執念と強烈な国家意識があり、ロシアの人々は畏
敬の念を込めて女帝と呼んでいました。私も43年前にロシアの特派員になった
ときから「女帝」に関心を持ち、取材も続けてきましたが、彼女の信念の固
さ、美術品に対する執着を理解せず、ひどく恥をかいた事も、煮え湯を飲まさ
れた事もあります。
彼女の52年間はロシア人のメンタリティーを知る格好の材料ですが、同時にロ
シアが一筋縄ではいかない厄介な国である事を思い知らされることにもなります。
28日日曜日午後6時半からNHKラジオの番組「地球ラジオ」で「女帝」について
お話します。10分足らずの時間ですが、お聞きいただければ幸いです。お騒が
せお許し下さい

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